手術

先生が午前中の手術に立ち会っているため、何時から始まるかわかりません。
とりあえず最短の1時に行きましたが、始まったのは2時半でした。


本人を見送ってから、まずは食事。
気になっていた刺身定食を注文。
さすが築地市場の前、マグロがおいしい。わさびもおいしい。
ご飯がもっと欲しかったです。


そしてそのまま最上階の19階で待機。
手術の付き添いも初めてではないので、まずは持ってきた大量の未開封郵便物を整理。
暗くなり始めたら、景色を見ながら音楽鑑賞。
夜景を見ながら曲を聞いていると、こんなことをしていていいのかな、と戸惑いました。
普段の生活とは縁遠い、あまりに優雅な時間だったので。
時々「まだ終わらない」などmailを送信しながら、貴重な時間を楽しみました。


しかし、「3〜4時間」と言われた6時半になっても連絡がありません。
もう残念な結果になっているのかも、と考え始めた頃、渡されたPHSが鳴りました。


先生から直接の電話で、「終わりました。8階に来て下さい」と言われましたが、8階に着いてもどこに行くかわかりません。
本来家族が待つべき待合室をうろうろし、集中治療室じゃないし、どこ?と思っていたら説明室の文字が。
ぐるっとまわって説明室へ行くと、すでに先生が待っていました。


「開腹せずに腹腔鏡で終わりました。」
「転移はなさそうですが、ガンの顔つきが悪いので慎重に様子を見ます。」


写真を撮りたい、と言ったら病理室に案内してくれましたが、説明室からは非常階段のような階段を下りたその先で、
「これ、帰りは私一人だよね。ヘンゼルとグレーテルみたいにパンでも落としておきたい。」
と思いました。


ガンは確かに「顔つきが悪そう」で、黒い標本台にきれいに虫ピンで留められたモノを撮影しました。


集中治療室で本人に会ったら「手術の後は説明室へ行くのよ」と当然の様に言われました。
しかし、ちらっとのぞいた家族待合室はお通夜の様で、ここで待たなくてよかったと思うほどでした。
やはりここが特殊な病院だからでしょう。
ちなみに病理の先は霊安室でした。