創立記念日は休診

ひざをかかえてうずくまっていた時にすぐに頭に浮かんだのは「この日にやるなよ」だった。なぜ5月30日はケガをしてはいけないのか。それは今日が済生会中央病院創立記念日だからだ。
私が小学生の時からお世話になっているこの病院は、今日が記念日でお休み。つまり、30日や31日の午前中に具合が悪くなっても、診察してもらえないのだ。
19年前はその事をすっかり忘れていて、病院まで腫れた足を引きずっていくと「本日休診」の張り紙があった。仕方なく少し遠い慈恵会医大へ行き、結局そこに2ヶ月通うことになった。まぁ急患で行かれるほどの症状なら受診できるのだが、この程度では申し訳ない。
済生会で診てもらう事ができないとなると、「さぁどうしよう」と妹弟に相談すると、近くの接骨院に行くように言われた。
そこでの診断は「痛みもないので心配ないと思うが、腱が伸びていると困るので2〜3日はひざを曲げないように」との事だった。正座とあぐらで生活している私に、この指示はとてもつらい。洗濯物をたたむときが特に困る。
ひざに大きく貼られた湿布の、L-メントールのにおいを懐かしく思いながら、左足だけ曲げない生活が始まった。